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韓国国内での執行

 

日本人と韓国人がが離婚する場合などにおいて、韓国国内にある財産について強制執行を行う必要が生じる場合があります。

こうした場合においては、まずは韓国の裁判所に訴えを提起するのか、日本の裁判所に訴えを適するのかを検討する必要があります。

いずれの場合も、裁判所で得た判決等を韓国国内での執行の可否、がポイントとなります。

 

韓国の裁判所に訴えを提起する場合

韓国の裁判所に訴えを提起する場合、まず最初に検討すべきは、韓国の裁判所に国際管轄権が認められるか否かです。

韓国の国際私法2条(国際裁判管轄)1項に拠れば、

「裁判所は当事者または紛争となった事案が大韓民国と実質的関連がある場合に国際裁判管轄をもつ。

この場合、裁判所は、実質的関連の有無を判断するにあたり、国際裁判管轄配分の理念にかなう合理的な原則に従わなければならない。」

と規定されています。

 

韓国の国際私法2条は、日本の「法の適用に関する通則法」や最高裁の判例と概ね同じ規定となっています。

もっとも、韓国の国際私法10条(社会秩序に反する外国法の規定)には、

「外国法によるべき場合に、その規定の適用が大韓民国の善良な風俗その他社会秩序に明らかに違反するときは、これを適用しない。」

といった規定があり、かつ、自国民保護の観点からの修正があることから注意する必要があります。

 

日本の裁判所の訴えを提起する場合

 

日本の裁判所に訴えを提起する場合、その確定判決を韓国国内で執行できるのかを検討する必要があります。

韓国の民事訴訟法217条に拠れば、

「外国裁判所の確定判決は、次の各号の要件をすべて満たせば、効力が認められる。」

と規定し、

「1 大韓民国の法令又は条約による国際裁判管轄の原則上、その外国裁判所の国際裁判管轄権が認められること」

「2 敗訴被告が訴状又はこれに準じる書面及び期日通知書や命令を適法な方法により防御に必要な時間的余裕を置いて送達を受けたり(公示送達やこれに類似した送達による場合を除く。)、送達を受けなかったが応訴したこと。」

「3 その判決の効力を認めることが大韓民国の善良な風俗やその他の社会秩序に反しないこと。」

「4 相互の保証があること」

を要求しています。

 

したがって、日本の裁判所による判決が韓国の民事訴訟法217条に適合することや、被告に対して送達ができていること等を予め検討する必要があります。

 

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