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(実際の事件の一部を修正してご紹介しています)

 

AさんはB子さんと3年前に離婚しました。

2人の間には子が2人いて、離婚の際にAさんが2人の養育費として6万円を支払うことで合意しました。

 

Aさんの当時の月収は残業代込み、手取りで25万円ほど。

賞与はありませんでしたが、6万円の養育費を支払っても何とか生活ができていました。

 

ところが、最近景気が悪くなり、仕事が減ってAさんが残業することはほぼなくなりました。

その結果、Aさんの月収は手取りで20万円程度に下がりました。

 

Aさんが暮らすワンルームマンションの家賃が月に約8万円。

給料の残り12万円から6万円の養育費を支払うと、Aさんの手元に残るのは6万円だけになってしまいました。

 

そこでAさん、養育費を何とか減額できないかと当事務所に相談に来られたのです。

Aさんの現在の収入をもとに、算定表で養育費を算定してみると、子2人いずれも14歳以下の場合における養育費は2~4万円となりました。

 

そこで当事務所はAさんの代理人としてB子さんに連絡をとり、養育費の減額を申し入れました。

これに対してB子さんは、残業代が出なくなったはこちらの責任ではない、給料が減ったのならAさんがアルバイトでもすればいいと言って、話合いに応じようとはしませんでした。

 

やむを得ないので家庭裁判所の調停を利用することとして、子の監護に関する処分(養育費)調停事件の申立を行いました。

 

最初の調停期日、こちらはAさんの収入が明らかになる資料を準備して家庭裁判所に出頭し、調停委員に対して、残業代がなくなり、6万円の養育費を支払うことが困難となったことを説明しました。

 

相手方のB子さんも調停には出席し、その上で従前の主張を繰り返しました。

 

調停委員は、B子さんの話を聞いたうえで、養育費の減額について同意ができない場合は審判に移行すること、審判に移行した場合は算定表に基づいて養育費が決まることを説明してくれました。

 

1回目の調停期日はそのまま終わり、2回目の調停期日となりました。

調停期日の間にB子さんはいろいろと調べたようで、調停で合意できない場合、審判に移行するという調停委員の説明が事実であることを理解したようで、減額自体には応じるということでした。

 

次に、算定表によれば、本件の養育費は2~4万円となるため、具体的な金額について話し合いが始まりました。

 

B子さんの希望は4万円でしたが、養育費に4万円支払うと、家賃を支払ったAさんの手元に残るのは8万円だけです。

8万円で水道光熱費や食費といった生活を支払うと全く生活に余裕がなくなります。

 

そこでAさんは、現状では養育費は3万円しか払えないが、残業ができるようになり収入が上がれば、その時に養育費の増額に応じるという提案を行いました。

 

調停委員が説得してくれたこともあり、最終的には給料が増えたら必ずAさんからB子さんに連絡することを条件として、養育費は3万円とする調停が成立しました。

 

調停成立後、Aさんからは、養育費はB子さんに払うものではなく、自分の子どもに支払うのだから、給料が上がったら必ず養育費も増額したいという話がありました。

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