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DV加害者による提出書類の閲覧謄写

 

離婚等の審判では、当事者又は利害関係を疎明した第三者は、家庭裁判所の許可を得て、裁判所書記官に対し、家事審判事件の記録の閲覧若しくは謄写等を請求することができ、家庭裁判所は、当事者から許可の申立てがあったときは、これを許可しなければならない、とされています。
(家事事件手続法47条1項、3項)
 
離婚町の調停では、当事者又は利害関係を疎明した第三者は、家庭裁判所の許可を得て、裁判所書記官に対し、家事調停事件の記録の閲覧若しくは謄写等を請求することができ、家庭裁判所は、当事者又は利害関係を疎明した第三者から許可の申立てがあった場合において、相当と認めるときは、これを許可することができる、とされています。
(家事事件手続法254条1項、3項)
 
このように、審判と離婚では閲覧謄写に関する規定が異なりますが、調停が審判に移行した場合には、離婚相手のDV加害者による閲覧謄写は原則として許可されることになります。
 

裁判所への書類提出

 

婚姻費用分担、養育費支払、財産分与等の請求では、裁判所から、相手方当事者に交付するための資料として給与明細、源泉徴収票、賃貸借契約書等の写しの提出が求められます。
 
また年金分割請求においても、年金分割情報通知書の提出が求められます。
 
これらの資料には、DV被害者が、加害者に秘匿しておきたい自らの住所等の情報が記載されているため、加害者が被害者の避難先を特定する手掛かりとなってしまいます。
 

書類提出時の注意点

 
調停や審判では、相手方に開示したくない書面等がある場合、当該書面に非開示希望に関する申立書を添付して提出することができます。
(非開示希望に関する申立書を添付しないで提出した書面は、非開示希望がないものとして取り扱われます。)
 
もっとも、非開示希望の申立を行った場合も、相手方当事者から閲覧謄写の申請があり、裁判所がこれを許可する場合もあります。なお、許可したことは非開示希望の申立を行った当事者に連絡されますが、提出した書面の撤回は認められていません。
 
そこで、書面等に相手方に秘匿したい情報が記載されている場合、その部分を必ずマスキングしてから提出するようにします。
 
なお、年金分割情報通知書については、年金事務所での申請にあたり住所を秘匿していることを伝えると、住所や発行元の年金事務所名の記載のない通知書を発行してくれます。

 

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