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西国三十三所観音霊場巡りの三十番札所、宝厳寺は琵琶湖に浮かぶ竹生島にある。

そこで、宝厳寺に参拝するためには、長浜、彦根、近江今津の港から出ている琵琶湖汽船のフェリーを利用することになる。

今回は長浜港からのフェリーを利用することに決めて、最寄りのJR長浜駅で下車。

長浜駅から長浜港までは歩いて10分ほど。

その途中に今回訪問した「ぶぶあん」というお店がある。

昼前におじゃましたせいか、先客は0。

入口の扉を開けるとチャイムの音がしてお店の人に来客を知らせる仕組み。

ほどなく女将さんと思われる女性が現れて窓側の4人掛けのテーブルに案内してくれる。

「どこからですか？」と聞かれて「京都です」と答えたところから女将さんとの会話が始まる。

「親戚がいるので小学生のころから長浜にはよく来た」というと、長浜の昔話に花が咲く。

しばらくお話をしてからメニューにあった「焼鯖そうめん」を注文。

昔からの長浜名物である。

注文をして10分ほどするとご主人が焼鯖そうめんをテーブルに運んできてくれる。

そこで女将さんも登場して3人で再び長浜の昔話。

今の長浜は黒壁スクエアができて「ガラスの街長浜」としてちょっとした観光地になっている。

でも小学生のころの長浜で覚えているのは駅前にぽつんとあったスーパーの平和堂くらい。

お店なんかもきっとあったんだろうけど、ぜんぜん覚えていない。

駅前の本屋で江戸川乱歩の怪人二十面相シリーズの本を買って、読み始めると面白いので親せきの家まで歩いて戻る途中にほとんど読み終えたことなんかを思い出す。

結局、焼鯖そうめんを食べ終えるまでお客さんは一人も来なかった。

その間、ご主人と女将さんと焼鯖そうめんを食べながらずっと話しっぱなし。

なんか親戚の家で焼鯖そうめんを食べているみたい。

ずっと話していたせいで焼鯖そうめんの味はあんまり覚えていない。

お店での思わぬ長居でお店を出たときはフェリーの出向まであまり時間が残っていなかった。

お店を出て少し走って長浜港に向かい、ぎりぎりでフェリーに間に合う。

その後、竹生島に上陸し、無事に宝厳寺に参拝を済ませて長浜駅経由で京都に戻った。

ごちそうさまでした。

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