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当事者間で養育費の金額を合意すると、当該合意には法的な拘束力が生じます。

したがって、合意後に当事者の一方が勝手に養育費の増額や減額を求めることはできません。

 

しかし、夫婦が離婚する際、養育費の取決めを行っても、離婚時には予想できなかった個人的・社会的事情の変化が生じることがあります。

 

父母の会社の倒産やリストラ、親や子の病気、子どもの進学。

こうした事情が生じた場合は、養育費の増額や減額を請求することが考えられます。

 

1 当事者間の協議による養育費の増額・減額

 

養育費の増額を請求したい場合、まずは権利者(養育費を受取る側)から義務者(養育費を支払う側)に対して増額の必要性を説明したうえで、増額したい金額を伝えます。

 

同様に、養育費の減額を請求したい場合、義務者が、権利者に対して、減額の必要性を説明したうえで、減額したい金額を伝えます。

 

当事者双方が合意できれば、新たな合意内容で公正証書等を作成します。

 

2 当事者双方が養育費の増額・減額について合意できない場合

 

当事者間の話し合いで養育費の増額や減額の合意ができない場合、それでも増額や減額を希望する場合は、家庭裁判所の調停を利用することになります。

 

養育費増額(減額)調停を申立て、調停の場で増額(減額)が必要な理由や、その主張を裏付ける証拠等を提出して当事者間で話し合うことができます。

 

養育費増額(減額)調停においても当事者間が合意できない場合、審判に移行することになります。

 

養育費増額(減額)審判では、両親の社会的地位・学歴・経済力や、子どもの状況を踏まえ、裁判官が養育費の増額(減額)の可否について判断することになります。

 

したがって、養育費の増額や減額を請求したいと考えている方は、

 

① 当事者間の協議

 

② 当事者間の協議で合意できない場合の家庭裁判所の調停

 

③ 家庭裁判所の調停で合意できない場合の家庭裁判所の審判

 

の順で話し合い等をすすめていくことになります。

 

もちろん、全ての手続きで弁護士に依頼をして交渉に参加してもらうことも可能です。

 

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