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現在、家庭裁判所における調停や審判で子の養育費を決める際に最も参考にされるのが簡易算定表というものです。
簡易算定表とは、平成15年4月に東京と大阪の裁判官らで構成する「東京・大阪養育費等研究会」が提案した簡易迅速な養育費の算定が可能な算定方式のことです。
簡易算定表が用いられるようになってから、以前と比べて養育費の算定が簡易に、そして迅速に決定されるようになったことは離婚当事者にとっても大きなメリットです。
しかし一方で、簡易算定表は、標準的な養育費の算定を行うものであり、個別事情が全て包含されているものではありません。
具体的には、相手の有する資産はその算定対象に含まれていません。
また、給与所得者の場合、年収の上限が2000万円になっています。
したがって、調停や審判では離婚当事者の個別事情を積極的に主張、立証することは可能です。
例えば父母双方の資産。
簡易算定表では総収入から公租公課、職業費及び特別経費を控除して「基礎収入」を算出し、これをもとに養育費を算定しています。
このように簡易算定表で考慮されるのは父母の収入(フロー)であり、資産(ストック)は考慮の対象に含まれません。
したがって、義務者(養育費を支払う側)が相当な資産をその父母から相続している場合などは、算定表の金額に上乗せして請求することも可能であると思われます。
その他、子が私学の小中学校に通っているケースで、それが義務者の意向にも合致している場合は当該学費についても算定表の金額に上乗せして請求することも考えられます。
いずれにせよ個別事情は算定表に全て包含されているわけではないので、当該個別事情が養育費を増減しうる事情となるのか検討する必要があります。
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