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今回は医師の相続について考えてみたいと思います。

 

医師の相続対策については、少しばかり留意しておくポイントがあります。

 

現在、子を医師にするためには莫大な教育費が必要です。

 

医学部に進むまでの学費や予備校等の費用、私学に進学した場合の大学の学費など。

大して予備校などにもず、国公立の医学部に進むような一部の子弟のをぞいて、親に資力がないと子弟を医師にすることは日本の現状では困難です。

 

資産家の親を持つ医師が、その親の財産を相続すると、その時点で資産家の仲間入り、といったことが少なくありません。

 

国民皆保険の日本では、医師は自分でさらに大きな資産を形成できますし、開業医の場合は定年がないため資産形成の時間も長くとることもできます。

 

もちろん、自分の代で開業した医師の中には、開業時に莫大な借金を背負う人もいます。

 

ただ、こうした場合も集患が順調に進み、診療所や病院経営が軌道に乗れば、早晩借金を返して大きな資産を形成することができます。

 

したがって、資産家の相続対策同様、医師の相続対策では相続「税」対策が必要になるのが一般的です。

 

一方で医師の相続ならではの問題も少なくありません。

 

現在、医療法人の8割弱は第5次医療法改正以前に設立された持分のある医療法人、いわゆる「経過措置型の医療法人」となっています。

 

設立から年月を経て、医療法人に大きな純資産が形成されて時に出資者が亡くなると、出資者の相続人は高額な出資持分を相続したものとして莫大な相続税が課税されます。

 

この問題に対応するため認定医療法人に移行する、といった方法もありますが、最近まで認定医療法人化の要件自体が厳格であったために未だ対策が進んでいないのが現状です。

 

また、相続財産の中には医師が相続しないと意味がない診療所の建物や医療機器などもあります。

その結果、相続人に医師と非医師がいる場合、偏った遺産分割になってしまうという問題も生じます。

 

このように医師の相続対策では、こうした医師特有の問題に配慮した対策が必要となります。

 

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