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【遺言、遺産分割に知っておきたい 相続税の債務控除の留意点】
税理士 遠山敏之 2014年 大蔵財務協会
相続税法では、被相続人の債務のうち相続開始時に現存するもので、確実と認められるものについて債務控除の対象として扱われ、また、被相続人に係る所得税等の未納公租公課が含まれる(相続税法13、14条)。
本書では、相続税の計算上、相続財産から控除することができる債務にどのようなものが含まれるのか、また、債務控除を行った際の相続税の計算等について詳細な検討がなされている。
弁護士や税理士が仕事の必要に応じて目を通す本は大なり小なり専門的な内容のものが多い。
ただ、そうした本の中にあっても本書はかなりマニアックな内容となっている。
マニアックな内容であるが、相続税関連の実務では必要となる知識である。
債務控除の対象となる金融機関からの借入金をどのように判定するのか、墓地、仏壇等の相続税非課税財産の購入費用は控除できるのか、弁護士や信託銀行に支払う遺言執行費用は控除できるのか、等々。
相続税についてはそれなりに知っているつもりでいたのだが、本書を読んで改めて得られた知識多数。
被相続人の告別式を2回行い、その2回分の告別式の費用について債務控除が認められた事例があったなど本書で初めて知った。
相続税の債務控除というテーマに特化した書籍だが、大変参考になった。
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