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【筆跡鑑定入門】魚住和晃 2013年 芸術新聞社
著者は、本書の初めで次のようなことを述べています。
要旨、遺言は公正証書遺言が間違いないといわれる。
しかし、公正証書遺言が作成された日時より後の日付の自筆証書遺言が出てくると自筆証書遺言が優先する。
しっかりしているときに公正証書遺言を作成しても、判断能力が低下した後に悪意のある相続人によって自筆証書遺言を書かされたり偽造されたりすると公正証書遺言を作ったことが全く無駄になってしまう云々。
判断能力(遺言能力)がない人が作成した遺言は無効です。
相続人が遺言を偽造した場合、遺言が無効になるだけではなく、遺言を偽造した相続人は相続欠格に該当します。
ただ、いずれの場合も、遺言が無効であることを主張する相続人が、遺言作成者に遺言能力がなかったこと、遺言が偽造されたものであることを立証することは困難です。
筆跡鑑定は、遺言が無効(有効)であることを主張する相続人にとって有力な立証方法の一つです。
ただ、通常は筆跡鑑定で全てが決まるものではありません。
さらには、筆跡鑑定を依頼したことが吉と出るか凶と出るか、結果が出るまで分かりません。
このように悩ましい筆跡鑑定ですが、弁護士としては本書のような書籍で定期的に最新の筆跡鑑定に関する知識をブラッシュアップして、依頼者の期待に可能な限り応えていく必要があります。
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