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【司法書士は見た!実録相続トラブル】河原田慶太 2014年 日経プレミアシリーズ

 

弁護士という仕事柄、相続問題を扱った書籍はかなりの数読み込んでいます。

遺産分割や相続税といった相続問題を扱った書籍は、弁護士、税理士、司法書士、学者、裁判官などの専門家が執筆することがほとんどです。

もっとも、その内容は弁護士などが読む専門書から面白おかしく読むことができる入門書まで様々です。

 

相続関連の入門書まで読むのは、素人の人が相続のどのような事項に関心があるのかを知るため。

今一つは、他の弁護士が相続に関連する専門知識をどのくらい分かりやすく説明しているのかを参考にするためです。

 

本書は、著者の先生が遭遇した実例を紹介するかたちで、相続にまつわるトラブルの原因とその解決方法を解説したものです。

まず感心したのは実例の多さです。

相続にまつわるトラブル実例を紹介すると謳った著作は数多くありますが、本書は本当に多くの実例が紹介されています。

次に著者の先生の説明が平易で分かりやすいことにも感心しました。

よく言われることですが、弁護士を始めとする士業は、専門用語を多用して素人を煙にまくといったことがあります。

 

しかし、今はそういった時代ではありません。

素人の方にしっかりと理解いただけるよう、平易な説明ができることが弁護士には求められますし、それができない弁護士は淘汰されると思います。

この点、可能な限り専門用語を使わず、相続にまつわる様々な制度が分かりやすく紹介されており、大変参考になりました。

素人の方は言うに及ばず、弁護士等の専門家が読んでも大変参考になる一冊でした。

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