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遺言書作成のポイントをまとめました

よくご質問を受ける遺言書に関する問題について、ご紹介したいと思います。

1 遺言書を作成すべきケース

  一般的に、遺言書を作成すべき事例としては、次のような場合を挙げることができます。

 ①子供なし夫婦の場合

 ②未成年の子供がいる場合

 ③相続人以外の第三者に財産をあげたい場合

 ④相続人間でもめる要素がある場合(相続財産の大半を不動産が占める場合)

 ⑤相続手続きに支障が生じるおそれがある場合(相続人が認知症等)

 では、相続人が1名の場合、遺言書を作成する必要はないのでしょうか。

答えは、NO です。

なぜなら、遺言書を作成しておくことで、相続人のスムーズな相続手続きが可能となるからです。

すなわち、遺言書がない場合、相続人は一から故人の相続財産を調査しなければならず、仮に預貯金の存在が発覚した場合、残高が数百円の預貯金であっても、解約手続等において戸籍謄本等の書類を揃えて煩雑な手続きを行う必要があります。

遺言書があれば、一から相続財産を調査する手間が省けるだけでなく、遺言書の中で弁護士等を遺言執行者に指定しておけば、相続人自身が煩雑な手続きで戸惑うことを回避することができます。

葬儀や訪問客の対応等で悲しみに暮れる暇もない相続人にとって、被相続人の上記心配りは感謝されることでしょう。

2 遺言書の保管方法

  遺言書には、自筆証書遺言や公正証書遺言など様々な種類があります(詳細はこちらへ)。

  その中でも、自筆証書遺言の場合、保管場所(保管方法)が問題になります。なぜなら、自筆証書遺言は公正証書遺言と異なり、たとえ作成していたとしても相続人等に発見されないリスクが伴うからです。

  では、保管場所(保管方法)として適切なものはどういったものでしょうか。

  ①書斎の引出しにしまっておく

   上記方法の場合、そもそも相続人等に発見されない可能性があります。

  ②金庫で保管しておく

   上記方法の場合、たとえば、遺言書を発見した人物にとって不利な内容の遺言書であった場合、発見した人物が遺言書を破棄・隠匿等を行う可能性があります。

  ③信頼できる人物に保管を依頼する

   上記方法の場合、信頼できる人物が遺言者よりも先に亡くなる可能性や、当該人物が遺言者の死亡した事実を把握しないおそれもあります。

  上記方法はいずれも安心して遺言書を保管することが困難といえます。

適切な遺言書の保管方法については、ぜひ弁護士へご相談ください。

3 遺言書の更新

  遺言書を作成すれば、それで一安心というわけにはいきません。

  なぜなら、遺言書を作成した後に様々な事情の変化が生じるからです。

  たとえば、遺言者よりも先に相続人が亡くなる場合があります。

  あるいは、「長男に相続させる」と記載していた不動産について、遺言書作成後に売却することもあります。

  したがって、遺言書は一度作成すれば後は放置してよいというものではなく、定期的に内容を見直す必要があります。

4 遺言者の想い(付言)

  自筆証書遺言には法定の有効要件があります(詳細はこちらへ)。

  もっとも、上記有効要件を満たせば安心というわけでもありません。

  もちろん、遺留分等の問題もありますが、他にも重要な問題があります。

  それは、遺言書に遺言者の想いを表現できているか、ということです。

  たとえば、相続人が子3人である事案において、「全財産を長男に相続させる」といった遺言書を作成した場合、長男以外の子はどう思うでしょうか。

   「なぜ長男だけに全財産を相続させるのか」

   「親父(お袋)は長男しか愛していなかったのか」

   「私だってお父さん(お母さん)にいつもお小遣いをあげて世話を見てきたのになぜ」

  この場合、遺言者がなぜ「全財産を長男に相続させ」たいと考えたのか、長男以外の子に納得できる理由を説明する必要が生じます。

  そこで、活用するのが「付言」です。

  すなわち、遺言者が当該遺言書の内容で相続財産を相続させようと考えた理由(想い)を遺言書に書いておくのです。

  そうすれば、たとえば上記のような事案でも、長男以外の子は、遺言書の内容が自分にとって不満のある内容であったとしても納得する可能性が生じます。

  したがって、遺言書を作成する際には、法定の遺言事項だけでなく、付言も活用するようにしましょう。

5 相続財産の表示方法

  「長男に全財産を相続させる」

  「長男に財産の3分の2を、長女に財産の3分の1を相続させる」

  「妻に不動産を、長男に預貯金を相続させる」

  遺言書の記載内容として、上記方法には問題があります。

  いずれの場合も、相続財産が特定できていないのです。

  すなわち、「全財産」「財産の3分の2」等の表現では、そもそも遺言者の相続財産の中身が不明ですし、「不動産」「預貯金」等の表現でも、どの不動産・預貯金なのか全くわかりません。

 そうすると、相続人としては、一から相続財産の内容を調査せざるを得ないという事態が生じかねません。

 したがって、遺言書を作成する際には、相続財産の中身を特定した上で、誰に何を相続させるのか記載する必要があります。

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