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vol538 修羅を生きる/梁石日(ヤン・ソギル)

【修羅を生きる】 梁石日(ヤン・ソギル)1999年 幻冬舎アウトロー文庫

 

 

幻冬舎「アウトロー文庫」・・・

 

あったのね、こんな名前の文庫シリーズ。

 

それにしてもすごい名前・・・

 

閑話休題

 

本書は作家梁石日の半自書伝である。

 

在日朝鮮人が多く住む大阪市猪飼野で済州島から渡ってきた両親のもとに生まれる。

 

父は身長180㎝を超える大男で、毎日のように酔っぱらい、酔うと家の戸を蹴倒して家に帰り、梁石日や母や姉に毎日のように暴力をふるう。

 

稼ぎのない父に代わり母はどぶろくを密造して一家の生計を支える。

 

梁石日の幼少期の記述を読むと「あんぽん」が思い出される。

 

佐野眞一によるソフトバンク創業者の孫正義の自伝的小説であるが、梁石日の幼少期と孫正義のそれが重なる。

 

梁石日はその後、府立高津高校定時制に進み、マルクスやレーニンにかぶれ、やがて詩作に没頭する。

 

同人誌で金時鐘などと出会い創作活動を続けるが詩人として世に出ることはかなわず。

 

様々な仕事を転々とし、一念発起して印刷会社を創業するも、最後は莫大な借金を残して会社は倒産。

 

その後、流れ流れて東京の新宿で偶然目にしたタクシー乗務員の募集チラシを見てタクシー乗務員となる。

 

その後の梁石日の活躍は出世作となった「狂躁曲」(文庫化では「タクシー狂躁曲」」)に詳しい。

 

「血と骨」の底本ともいわれる本作、読み応えあり。

 

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