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vol112 トッカンthe3rd おばけなんてないさ/高殿円

【トッカンthe3rd おばけなんてないさ】高殿円 2014年 ハヤカワ文庫

 

本書は、「トッカン 特別国税徴収官」、「トッカンVS勤労商工会」に続くトッカンシリーズの第3作目です。

弁護士や税理士が知っていそうで知らない税務署内部を綿密な取材をもとにして描いた第一作は、エンタテイメント小説としての楽しみもさることながら、弁護士や税理士としての話のネタ本として読ませてもらいました。

第二作は、ネタとしての目新しさはありませんでしたが、主人公の特官付(とっかんつき=特官の部下)ぐー子(主人公の女性の愛称)が、税務署と敵対する民商(作品では勤労商工会)の顧問弁護士と対決するなど、さらにエンタテイメント性が高められた作品でした。

 

そして本作では前二作にも増してエンタテイメント性が高められています。

本作に登場するのは、霊感商法で利益を上げる宗教法人と運送会社。

どちらも栃木に所縁のある団体で、主人公のぐー子は、栃木出身で上席の特官鏡(かがみ)と一緒に栃木に出張し、脱税のからくりを解明していくというお話です。

とにかく話のテンポが良く、一度読み始めるとなかなか途中で止めることができません。

 

また、本作では栃木が舞台になりますが、著者は栃木出身なのかと疑いたくなるような地元ネタが多数出てきます(巻末のプロフィールによれば、著者の高殿円先生は兵庫県のご出身のようです)。

税務署の内部事情についてもそうですが、著者の下調べや取材の丁寧さが本作にも反映されています。

とにかく文句なしに面白い作品です。

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