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貿易実務における所有権の移転〈京都弁護士会弁護士による貿易実務の法律相談〉

 

貿易実務における所有権の移転について弁護士法人オールワン法律会計事務所(京都弁護士会)の弁護士(京都弁護士会)が解説します。

 

1 危険負担と所有権移転の関係

 

通常、危険負担と所有権移転は一致するといわれます。

 

すなわち、当事者いずれにも物の滅失・毀損に責任がないときに、一方当事者が責任を負担するのは、当該当事者が物の所有権を有しているからだと考えるのです。

 

この考えによれば、危険が移転するのに伴って物の所有権も移転することになります。

 

貿易実務における危険負担〈京都弁護士会弁護士による貿易実務の法律相談〉で説明したように、代表的なトレードタームズであるFOB、C&F(CFR)、CIFでは、貨物が船の手すりを越えた時点で危険も移転するので、売主は同時に物の所有権も失うことになります。

 

もっとも、このように考えることには大きな問題があります。

 

通常、船積みの時点で売主は貨物の代金を受け取っていません。

 

とすれば、危険負担の時期と所有権移転の時期が一致するという考え方に立つと、売主は代金を受け取らないうちに貨物の所有権を失ってしまうという不都合が生じるのです。

 

2 所有権移転の時期

 

トレードタームズの解釈基準であるインコタームズにも所有権移転の時期に関する規定はありません。

 

しかしながら、先に説明したように代金の決済を受けるまで、物の所有権は売主に留保されていると考えるのが当事者の合理的意思に合致すると思われます。

 

そこで、代金の決済までは物の所有権は売主にあり、決済後に買主に移転すると解釈することが合理的です。

 

具体的には、代金の支払方法が送金為替の場合は、送金が完了した時点で所有権が売主から買主に移転します。

 

荷為替手形を代金決済に利用する場合は、買主が手形の引受、支払いを行った時点で所有権が移転します。

 

もっとも、売主と買主が上記と異なる取り決めをすることは全く問題ありません。

 

【ご留意ください!】

 

本解説は、貿易実務における所有権の移転に関する基本的な考え方を示すものです。具体的な契約の解釈等については弁護士等の専門家にご相談いただくようお願いします。

 

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