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事業承継における自社(非上場)株式の移転〈京都弁護士会弁護士・税理士による事業承継の法律相談〉

 

事業承継における自社株式の移転手段について弁護士法人オールワン法律会計事務所(京都弁護士会)の弁護士(京都弁護士会)税理士(近畿税理士会下京支部)が解説します。

 

自社株の移転手段は、移転先に応じて、売買、贈与及び相続が単独で、あるいは組み合わせて選択されます。

いずれの移転手段も一長一短がありますので慎重な検討が必要です。

 

売買

 

自社株を後継者又は後継者が株主となっている法人が買い取る方法です。

 

お金を出して株式を買うわけですから、買手はオーナーの親族に限られず、第三者も含まれます。

課税関係は、売手に譲渡所得税が課税されます。

 

非上場株式の譲渡所得税率は、譲渡益(取得費、譲渡費用を控除できます)に対して、所得税(復興特別所得税を含む)15.315%、地方税5%、合計20.315%となり、申告分離課税です。

 

オーナーの後継者が自社株を買い取るには、後継者は買取資金を準備する必要があり、自社株の評価が高額となっている場合には、買取資金が多額となります。

 

他方で、後継者が対価を支払い自社株を取得しますので、贈与で自社株を取得した場合と異なり、他の法定相続人から特別受益の主張がなされるリスクを低減することができます。

 

また、自社株を贈与した場合、贈与税は受贈者すなわち後継者に課税されますが、譲渡所得税はオーナーに課税されますので、後継者の資金負担を軽減することが可能です。

 

贈与

 

贈与には、暦年課税と、相続時精算課税があります。

 

暦年課税とは、毎年1月1日から12月31日(暦年)を1つの期間として、その間に受贈者が贈与を受けた財産の価額に応じて贈与税が課税されるものです。

 

暦年贈与では、受贈者1人が1年に受ける贈与額が110万円(基礎控除)を超えると課税され、基礎控除後の課税価額が4500万円を超えると贈与税の税率が55%となります(20歳以上の者が直系尊属から贈与を受けた場合)。

 

したがって、毎年の税負担を勘案しながら、計画的に長期間にわたる贈与に適した贈与制度です。

 

他方、相続時精算課税とは、60歳以上の親又は祖父母から20歳以上の子又は20歳以上の孫に対して贈与する場合、予め所轄の税務署に相続時精算課税制度の選択届出書を提出することで利用することのできる制度です。

 

贈与時に贈与財産に対する贈与税を納め、その贈与者が亡くなった時にその贈与財産の贈与時の価額と相続財産の価額とを合計した金額を基に計算した相続税額から、既に納めたその贈与税相当額を控除することにより贈与税・相続税を通じた納税を行うものです。

 

特別控除額(2,500万円)を超える金額の税率は一律20%で、後継者に自社株を贈与しておけば、その後株価が上昇した場合であっても、贈与時の価額で課税されるに過ぎません。

 

もっとも、いったん相続時精算課税を選択すると、上で述べた暦年課税の適用を受けることができなくなります。

 

したがって、相続時精算課税を選択するか否かは、税理士等の専門家と相談の上で慎重に決定すべきです。

 

暦年課税、相続時精算課税いずれもオーナーが対価なく自社株を移転するわけですから、移転先は通常、後継者たる親族(典型的にはオーナーの子)に限定されます。

 

この場合、オーナーに後継者以外の推定相続人がいる場合、オーナーに相続が発生すると、自社株の生前贈与が原因で相続人間のトラブルが発生することがあります。

 

すなわち、自社株の生前贈与を受けていない後継者以外の相続人から、後継者に対して、自社株の生前贈与が特別受益にあたるとの主張がなされる可能性があるのです。

 

したがって、複数の推定相続人がいる中で、特定の推定相続人だけに生前贈与で自社株を移転する場合は、こうしたトラブルを未然に防ぐ対策も併せて採る必要があります。

 

3 相続

 

後継者がオーナーの親族の場合、オーナーの相続時に相続財産の一部として自社株を取得することも可能です。

 

オーナーが遺言を作成していれば、法定相続人以外の後継者に対しても遺贈というかたちで自社株を移転させることができます。

 

自社株は上で述べたとおり、売買や贈与で後継者に移転することが一般的です。

 

もっとも、贈与による自社株移転を考えている場合であっても、オーナーが遺言を作成することは必要です。

 

なぜなら、暦年課税による自社株の移転は、税負担の問題から通常複数年に分けて行われます。

 

贈与の途中でオーナーに相続が発生すると、未贈与の自社株を後継者が取得できる保障はありません。

 

そこで、オーナーが自社株を後継者に相続させる旨の遺言を作成した後、贈与に着すすることをお勧めします。

 

また、すでに贈与が完了している場合も、オーナーに後継者以外の法定相続人がいる場合、オーナーの相続開始後、当該法定相続人から後継者に対して特別受益の主張がなされる場合があります。

 

そうした場合に備えて、オーナーが遺言において特別受益の持ち戻しを免除する意思表示をしておけば、一定程度トラブルを回避することも可能です。

 

【ご留意ください!】

 

本解説は、事業承継における自社株式の移転手段に関する基本的な考え方を示すものです。具体的な税額等の計算については、必ず弁護士、税理士等の専門家にご相談いただくようお願いします。

 

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