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労働者の採用と個人情報の調査〈京都弁護士会弁護士による労働問題の法律相談〉

 

労働者の採用と個人情報の調査について弁護士法人オールワン法律会計事務所(京都弁護士会)の弁護士(京都弁護士会)が解説します。

 

1 採用の自由

 

使用者には採用の自由があり、どのような労働者をどのような条件で雇うかは、法律その他による特別の制限がない限り、原則として会社の自由であるとされています(最大判昭和48年12月12日)。

 

この「法律その他による特別の制限」とは、例えば、男女雇用機会均等法5条が定める、性別を理由とした募集・採用差別の禁止などです。

 

2 採用企業による応募者の個人情報等の調査

 

採用・不採用を決定するに当たり、応募者の思想や健康情報などを調査することは許されるのでしょうか。

 

応募者の採用・不採用を決めるためには、当然のことながら判断材料が必要であり、そのために調査が必要となる場合があることは否定できません。

 

しかし、だからといって、応募者のプライバシーに属する事項まで調査することは許されないのではないかという問題です。

 

この問題について、判例(最大判昭和48年12月12日)は、応募者の採用・不採用の決定にあたり、応募者に対して思想・信条に関する事項を申告するよう求めることも違法ではないとしています。

 

しかしその一方で、次のような裁判例もあります。

 

応募者が肝炎ウィルスに感染しているかどうかを調査したことの適法性が問われた事例において、裁判所は、肝炎ウィルスに感染していることは他人にみだりに知られたくない情報であり、プライバシー権として保護されるべきである、とした上で、調査の必要性があり、応募者本人に対してその目的や必要性について告知し、同意を得た場合でなければ、健康情報を取得することはできないと判断しています(東京地判平成15年6月20日)。

 

このように、裁判所は、使用者に調査権があることは認めつつも、その調査権は応募者のプライバシー権との関係で限界があるとしています。

 

現在では、個人情報保護法が制定され、それに基づいて厚生労働省が「雇用管理分野における個人情報保護に関するガイドライン」や「雇用管理に関する個人情報のうち健康情報を取り扱うに当たっての留意事項について」を策定するなど、個人情報保護への意識が高まっていることに注意する必要があります。

 

【ご留意ください!】

 

本解説は、労働者の採用と個人情報の調査に関する基本的事項を述べたものです。労働者の採用に関する個別の問題解決は弁護士等の専門家にご相談下さい。

 

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労働者の採用・解雇・雇い止め・サービス残業(不払残業)等の法律相談は京都の弁護士法人オールワン法律会計事務所の弁護士(京都弁護士会)にお任せ下さい。

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