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遺言の種類と遺言事項〈京都弁護士会弁護士による相続の法律相談〉

 

遺言の種類と遺言にどのようなことが書けるのか(遺言事項)について弁護士法人オールワン法律会計事務所(京都弁護士会)の弁護士(京都弁護士会)が解説します。

 

1 遺言の種類

 

民法が定める遺言の種類は次のとおりです。

 

1) 普通の方式

 

自筆証書遺言(民法第968条)

 

公正証書遺言(民法第969条)

 

秘密証書遺言(民法第970条)

 

2) 特別の方式

 

死亡の危急に迫った者の遺言(民法第976条)

 

伝染病隔離者の遺言(民法第977条)

 

在船者の遺言(民法第978条)

 

在船遭難者の遺言(民法第979条)

 

2 遺言事項

 

遺言には事実上さまざまな事項を記載することができますが、民法では遺言に記載することで法的な効力が生じる事項を限定しています。

民法上の遺言事項は次のとおりです。

 

1)民法の法定事項の修正に関するもの

 

推定相続人の廃除・排除の取消(民法第893条、同第894条第2項)

 

祖先の祭祀主催者の指定(民法第897条第1項但書)

 

相続分の指定(民法第902条)

 

特別受益の持戻し免除(民法第903条第3項)

 

遺産分割方法の指定(民法第908条前段)

 

遺産分割の禁止(民法第908条後段)

 

遺産分割における担保責任に関する事項(民法第914条)

 

遺留分減殺請求に関する別段の意思表示(民法第1034条)

 

2)相続財産の処分に関するもの

 

遺贈(民法第964条)

 

➁相続財産に属さない権利の遺贈に関する意思表示(民法第996条但書)

 

➂財団法人設立のための寄付行為(一般社団法人及び一般財産法人に関する法律第158条第2項)

 

保険金受取人の変更(保険法第44条)

 

➄信託の設定(信託法第3条第2号)

 

3)身分に関するもの

 

認知(民法第781条第2項)

 

未成年後見人の指定(民法第839条第1項)

 

未成年後見監督人の指定(民法第848条)

 

4)遺言執行に関するもの

 

遺言執行者の指定(民法第1006条第1項)

 

【関連条文】

 

(自筆証書遺言)
第968条

自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。

2項
自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。

 

(公正証書遺言)
第969条
公正証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。
①   証人2人以上の立会いがあること。
②   遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。
③   公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること。
➃   遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押すこと。ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。
➄   公証人が、その証書は前各号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。

 

(公正証書遺言の方式の特則)
第969条の2
口がきけない者が公正証書によって遺言をする場合には、遺言者は、公証人及び証人の前で、遺言の趣旨を通訳人の通訳により申述し、又は自書して、前条第二号の口授に代えなければならない。この場合における同条第3号の規定の適用については、同号中「口述」とあるのは、「通訳人の通訳による申述又は自書」とする。
2項
前条の遺言者又は証人が耳が聞こえない者である場合には、公証人は、同条第三号に規定する筆記した内容を通訳人の通訳により遺言者又は証人に伝えて、同号の読み聞かせに代えることができる。
3項
公証人は、前二項に定める方式に従って公正証書を作ったときは、その旨をその証書に付記しなければならない。

 

(秘密証書遺言)
第970条
秘密証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。
①   遺言者が、その証書に署名し、印を押すこと。
②   遺言者が、その証書を封じ、証書に用いた印章をもってこれに封印すること。
③   遺言者が、公証人1人及び証人2人以上の前に封書を提出して、自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を申述すること。
➃   公証人が、その証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名し、印を押すこと。
2項 第968条第2項の規定は、秘密証書による遺言について準用する。

 

第976条
疾病その他の事由によって死亡の危急に迫った者が遺言をしようとするときは、証人3人以上の立会いをもって、その一人に遺言の趣旨を口授して、これをすることができる。この場合においては、その口授を受けた者が、これを筆記して、遺言者及び他の証人に読み聞かせ、又は閲覧させ、各証人がその筆記の正確なことを承認した後、これに署名し、印を押さなければならない。
2項
口がきけない者が前項の規定により遺言をする場合には、遺言者は、証人の前で、遺言の趣旨を通訳人の通訳により申述して、同項の口授に代えなければならない。
3項
第1項後段の遺言者又は他の証人が耳が聞こえない者である場合には、遺言の趣旨の口授又は申述を受けた者は、同項後段に規定する筆記した内容を通訳人の通訳によりその遺言者又は他の証人に伝えて、同項後段の読み聞かせに代えることができる。
4項
前3項の規定によりした遺言は、遺言の日から20日以内に、証人の1人又は利害関係人から家庭裁判所に請求してその確認を得なければ、その効力を生じない。
5項
家庭裁判所は、前項の遺言が遺言者の真意に出たものであるとの心証を得なければ、これを確認することができない。

 

(伝染病隔離者の遺言)
第977条
伝染病のため行政処分によって交通を断たれた場所に在る者は、警察官一人及び証人一人以上の立会いをもって遺言書を作ることができる。

 

(在船者の遺言)
第978条
船舶中に在る者は、船長又は事務員1人及び証人2人以上の立会いをもって遺言書を作ることができる。

 

(船舶遭難者の遺言)
第979条
船舶が遭難した場合において、当該船舶中に在って死亡の危急に迫った者は、証人2人以上の立会いをもって口頭で遺言をすることができる。
2項
口がきけない者が前項の規定により遺言をする場合には、遺言者は、通訳人の通訳によりこれをしなければならない。
3項
前2項の規定に従ってした遺言は、証人が、その趣旨を筆記して、これに署名し、印を押し、かつ、証人の一人又は利害関係人から遅滞なく家庭裁判所に請求してその確認を得なければ、その効力を生じない。
4項
第976条第5項の規定は、前項の場合について準用する。

 

【ご留意ください!】

 

本解説は、基本的な考え方を示すものです。具体的な遺言作成時の留意点については弁護士等の専門家にご確認いただくようお願いします。

 

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