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相続税の税務調査〈京都弁護士会弁護士・税理士による相続税の法律相談〉

 

相続税の税務調査について弁護士法人オールワン法律会計事務所(京都弁護士会)の弁護士(京都弁護士会)税理士(近畿税理士会下京支部)が解説します。

 

国税庁の発表によれば、平成24年中の相続税の申告状況は次のとおりです。

 

① 被相続人(平成24年に亡くなった人の数) 1,256,359人

 

② 相続税申告書(相続税額あり)による被相続人数 52,395人

 

③ 課税割合(②/➀) 4.2%

 

➃ 被相続人1人あたりの相続税課税価格 20,557万円

 

➄ 被相続人1人あたりの相続税額 2,388万円

 

平成26年までは相続税基礎控除が(5,000万円×1,000万円×法定相続人の数)で算定できましたので、被相続人中、その遺産に相続税が課税された方の割合は4.2%に過ぎませんでした。

 

(出典:国税庁 平成24年分の相続税の申告状況について)

 

次に、平成24事務年度(平成24年7月~同25年6月)における相続税の調査状況は次のとおりです。

 

① 相続税実地調査件数 12,210件

 

② 相続税申告漏れ等の非違件数 9,959件

 

③ 非違割合(②/➀) 81.6%

 

➃ 相続税実地調査1件あたりの追徴税額 500万円

 

 相続税申告書による被相続人の数が52,394人、その中で実地調査の対象となっているのが12,210件ですから、相続税を申告した相続税納税義務者中、相続税の実地調査を受ける割合は約23%です(12,210件/52,394人)。

 

この実地調査を受けた相続税納税義務者中、申告漏れ等の指摘を受けて相続税の修正申告等を行った割合(上記③の非違割合)は実に81.6%にのぼります。相続税の実地調査に関しては、まさに十中八九申告漏れです。

 

(出典:国税庁 平成24事務年度における相続税の調査状況について)

 

次に、相続税の申告漏れ相続財産の金額の構成比は次のとおりです。

 

1.現金預金 37%

2.土地 17%

3.有価証券 13%

4.家屋 2%

5.その他 31%

 

(出典:国税庁 平成24事務年度における相続税の調査状況について)

 

相続税の申告漏れ相続財産の比較では、現金預金が37%と他の相続財産を大きく上回っています。

 

この中で、資産家の方が特に注意しておく必要があるのが預金の申告漏れです。

 

ここで、相続税の調査方法について、簡単に説明しておきます。

 

 相続税の調査というと伊丹十三監督・宮本信子主演の名作「マルサの女」を思い浮かべる方も多いと思いますが、あの映画で描かれていたのは国税局査察部の国税犯則取締法に基づく強制調査です。

 

国税局査察部は、裁判所から捜索差押許可状の発付を受けることを条件に、国税犯則事件の摘発を目的とする強制捜査(被捜査人の同意を要件としない)を行います。

 

一方、一般的な税務調査は、国税局または所轄税務署が担当し、その目的は国税犯則事件の摘発ではなく、専ら申告漏れの任意調査です。

 

もっとも、任意調査といっても調査にあたる税務署員には質問検査権という権限が認められており、正当な理由なく税務署員の質問に答えなかったり、また帳票類等の開示を拒むと一定の罰則が科される場合があります。

 

相続税の税務調査の多くはこの任意調査となります。

 

ところで、税務署は、銀行調査を行うことができるため、被相続人や相続人の取引履歴を調査することができます。

 

この取引履歴の調査により、過去に被相続人名義の口座から、相続人や孫の名義の口座への入金だけが一定期間続き、一方で出金の記録がないことが判明すると、その間の相続人や孫名義の銀行預金の管理者が問題となります。

 

資産家の中には、相続税対策としての生前贈与として子や孫名義の銀行口座にお金を振り替える一方で、無駄遣いなど防止するために、子・孫名義の銀行預金をそのまま管理する方が少なくありません。

 

こうした、子や孫の名義だけの預金は、その管理をしていた親が亡くなると、相続財産として判断される可能性があるのです。

 

こうした相続税の税務調査からみえてくるのは、安易に子供や孫の銀行口座にお金を振り替えていても、実は相続税対策になるどころか、却って相続税の税務調査で申告漏れの指摘を受ける結果を招きかねないという事実です。

 

【ご留意ください!】

 

本解説は、相続税の税務調査の基本的事項を述べたものです。税務調査に対する対応、生前贈与対策については弁護士、公認会計士、税理士等の専門家にご相談いただくようお願いします。

 

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