TOP > 裁判上の離婚原因〈京都弁護士会弁護士による離婚の法律相談〉

裁判上の離婚原因〈京都弁護士会弁護士による離婚の法律相談〉

 

裁判離婚における離婚原因について弁護士法人オールワン法律会計事務所(京都弁護士会)の弁護士(京都弁護士会)が解説します。

 

民法770条第1項が定める離婚原因は5つ(不貞行為(1号)、悪意の遺棄(2号)、3年以上の生死不明(3号)、不治の精神病(4号)、その他婚姻を継続しがたい重大な事由(5号))ありますが、その中でも裁判で多く争点となるのが、「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」(5号)です。

 

「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」とは、婚姻共同生活が破綻し、その修復が著しく困難な場合をいいます。

 

具体的には、主観的に夫婦双方が婚姻を継続する意思を失っている場合や、客観的に婚姻共同生活の修復が著しく困難な場合のいずれかが認められる場合には、離婚請求が認容されます。

 

過去の裁判例では、次のような事由が、「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」と認められています。

 

1) 侮辱的発言

 

  妻が、夫に対して、「結婚をして損をした。」「実母とべったりだ。」等の具体性のない非難を並べ、「威張るな。」「ばか、何を言いやがる。」「ばばあ(夫の実母)、早く死んでしまえ。」等の暴言を、連日のように続けた事案(横浜地判昭和59・2・24判タ528号290)。

 

2) 家庭内別居

 

   妻が昭和61年夏以後は性関係も拒否し、子供の世話はするが、夫に対しては、食事の世話も洗濯もしなくなったという事案(東京高判平成4・12・24判時1446号65頁)。

 

3) 経済観念の不一致

 

   夫が公務員で、必ずしもその収入は高給とは認めがたいが、妻は結婚後間もなくから、夫との生活維持について家計を預かりながら、その性格が派手なため支出が多く、しばしば家計費の不足をきたし、夫に秘して、入質、借財を重ね、無断で原告名義の約束手形を振り出す等の行為を行った事案(東京地判昭和39・10・7判時402号59頁)。

 

4) 重大な病気・障害

 

   妻が脳腫瘍により植物状態になり回復の見込みがなく、禁治産(被後見人)宣告を受け、夫が長年、妻のために治療や見舞いをし、離婚後の妻の療養看護費用について妻の後見監督人(実母)との間で合意が成立しているなど誠意を尽くしていた事案(横浜地横須賀支判平成5・12・21判時1501号129頁)。

 

5) 宗教活動

 

   妻がある宗教に入信し、熱心な信仰生活を送るようになり、多くの時間を割いて宗教活動を行い、家庭生活を省みず、幼い子らに教義を教え、日本人の習俗的行事を拒否し、夫婦の寝室も別にし、食事も会話もない状態となった事案(名古屋地判昭和63・4・18判タ682号212頁)。

 

6) 勤労意欲の欠如

 

   夫が確たる見通しもなく転々と職をかえ、安易に借財に走り、妻らに借金返済の援助を求めるなど、著しくけじめを欠く生活態度に終始した事案(東京高判昭和59・5・30判タ532号249頁)。

 

7) 訴訟の提起

 

   夫がくも膜下出血で倒れた後に、妻が勝手に離婚届を出したため、夫が離婚無効確認の訴えを提起し、離婚無効が確定した後に、夫が妻を有印私文書偽造・同行使罪などで刑事告訴した事案(東京地判平成4・6・26判タ817号209頁)。

 

その他にも、親族との不和性格の不一致など、「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」と認められた事案があります。

 

もっとも、あくまで個別事案での判断であることから、上記事由があるからといって必ずしも離婚請求が認められるとは限らないため、注意が必要です。

 

【関連条文】

 

(裁判上の離婚)
第770条
夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
① 配偶者に不貞な行為があったとき
② 配偶者から悪意で遺棄されたとき
③ 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
➃ 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
➄ その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
2項
裁判所は、前項第1号から第4号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。

 

【ご留意ください】

 

本解説は離婚に関する一般的な考え方を述べたものです。離婚に関する具体的な相談は弁護士等の専門家にご相談下さい。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

滋賀,京都,大阪での弁護士への離婚の法律相談は、京都・四条烏丸の弁護士法人オールワン法律会計事務所(京都弁護士会)の弁護士(京都弁護士会)にお任せ下さい。

よくあるご質問

ページ上部へ