離婚問題

TOP > 個人のお客様 > 離婚問題 > 裁判離婚〈京都弁護士会弁護士による離婚の法律相談〉

裁判離婚〈京都弁護士会弁護士による離婚の法律相談〉

 

裁判による離婚手続きについて弁護士法人オールワン法律会計事務所(京都弁護士会)の弁護士(京都弁護士会)が解説します。

 

1 裁判離婚とは

 

当事者間の協議や調停で離婚できない場合、裁判で離婚原因があるのか否かを争う必要があります。

 

もっとも、いきなり裁判離婚の手続をとることは許されず、原則として調停手続を経る必要があります(調停前置主義)。

 

2 裁判離婚の手続

 

1) 管轄

 

離婚の当事者である夫と妻が普通裁判籍を有する地(離婚当事者の住所地)の家庭裁判所が管轄裁判所となります。

 

したがって、離婚調停を行った家庭裁判所以外の家庭裁判所が管轄を有する場合もあります。

 

2) 申立費用

 

離婚訴訟は、非財産上の請求のため訴額(訴えによって求める金額)は160万円という扱いになります。

 

その結果、訴状に貼付する収入印紙の額は原則として1万3000円となります。

 

もっとも、慰謝料請求等、160万円を超える財産上の給付を請求する場合は、当該請求金額を基準として訴状に貼付する収入印紙の額を算定します。

 

3 裁判離婚が認められる場合

 

裁判離婚とは、離婚の当事者の話し合いで解決できない場合に、裁判所が当事者の言い分を聞いて離婚を認めることが適当か否かを判断する手続です。

 

場合によっては離婚を希望しない一方当事者の意に反しても、裁判所が離婚を認めることもあります。

 

このため、裁判所は、原告(離婚を求める側)の言い分に十分な理由があるか否かを裁判手続きの中で慎重に判断することになります。

 

この原告の言い分は何でもよいというものではなく、法律が予め一定の離婚原因を規定しており、原告の言い分が当該法律上の規定に該当するのか否かを裁判所が判断することになります。

 

民法第770条第1項が規定する離婚原因は次の5つです。

 

1) 不貞行為(1号)

 

不貞行為とは、夫婦間の貞節義務に反する行為をいいます。

 

代表的なものとしては、自由意思で配偶者以外の異性と性的交渉をもったり、正当な理由なく配偶者以外の異性と同棲したりする場合をさします。

 

一度きり、又はごく短期間の「浮気」が不貞行為に該当するのか問題となります。

 

裁判例では、2か月程度継続した異性関係をもって不貞行為を否定したものがありますが(名古屋地判昭和26年6月27日)、他の事情との総合的な判断で離婚理由の有無が判断されることが多いようです。

 

また、婚姻前、あるいは婚姻関係が破たんした後における異性関係については、原則として不貞行為には該当しません。

 

不貞行為を自ら働いた配偶者から裁判離婚を求めることができるかという問題があります。

 

判例は、不貞行為を自ら働いた配偶者からの請求であっても、裁判離婚が認められる場合があると考えています。

 

別居の期間がどの程度か、未成熟の子どもがいるか、離婚によって相手方配偶者の経済状況や精神状況がどの程度過酷な状況におかれるか、といった事情を考慮して、裁判離婚が認められるかどうかが判断されているようです(最判昭和62年9月2日)

 

こうした不貞行為の事実は、配偶者の不貞行為があるとする当事者が全て主張・立証する必要があります。

 

いいかえれば、浮気の証拠がしっかり確保されていない場合は、本号による離婚は困難となる可能性が高くなります。

 

2)  悪意の遺棄(2号)

 

悪意の遺棄とは、正当な理由がないのに、同居・協力・扶助の義務を履行しないことをいいます。

 

正当な理由がないのに、配偶者が家を出て行って帰ってこない場合や、夫が生活費を一切渡さない場合などが悪意の遺棄にあたります。

 

他方、生活費を送金していても、正当な理由なく同居を拒絶している場合にも悪意の遺棄にあたると判断した判例もあります(大判明治33年11月6日)。

 

単身赴任・配偶者のドメスティック・バイオレンス(DV)を避けるための避難といった正当な理由があっての別居は、悪意の遺棄にはあたりません。

 

3) 3年以上の生死不明(3号)

 

生死不明とは、生存も死亡も確認できない状況にあることをいいます。

 

単なる別居、行方不明、住所不定は生死不明に含まれません。

 

3年の起算点は、相手方の生存が最後に確認された時点です。

 

失踪宣告との関係については、失踪宣告による離婚は相手方が死亡したとみなされることによる離婚ですが(民法第31条)、失踪宣告自体取り消される可能性があるため(同第32条)、後に効果が覆るおそれがあります。

 

4)  不治の精神病(4号)

 

民法上、配偶者が、1.強度の、2.精神病にかかり、3.回復の見込みがない、ことが離婚原因とされています。

 

夫婦間には、協力・扶助義務がありますので、精神病に罹患した配偶者を看護するのは、健康な配偶者の義務であるということもできます。

 

そのため、判例は、不治の精神病に罹患したからといって、それのみで単純に離婚を認めるべきではないと考えています。

 

すなわち、離婚後の病者の看護について、離婚を求める配偶者に何か具体的な提案(金銭的な支援など)をさせ、それを踏まえて、離婚を認めるかどうかを裁判所が判断する、というものです(最判昭和33年7月25日)

 

5)  その他婚姻を継続しがたい重大な事由(5号)

 

抽象的離婚事由といわれ、前号までに該当しない場合も、相応の理由があれば裁判離婚が認められることになります。

 

婚姻関係の破たんが深刻であり、婚姻の本質に応じた共同生活の回復が見込めない事情がある場合、本号により離婚が認められます。

 

具体的には、ドメスティック・バイオレンス、相手方による家計と無関係な多額又は多数回の借金、異常性欲等があげられます。

 

詳しくは裁判上の離婚原因をご覧ください

 

このように裁判離婚は法定の離婚原因の有無がポイントとなりますので、相手方当事者が離婚を争う場合には、自らの主張を裏付ける証拠をどの程度収集して裁判所に提出できるのかを検討する必要があります。

 

【関連条文】

 

(裁判上の離婚)
第770条

夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。

①   配偶者に不貞な行為があったとき。
②   配偶者から悪意で遺棄されたとき。
③   配偶者の生死が3年以上明らかでないとき。
➃   配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
➄   その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
2項
裁判所は、前項第1号から第4号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。

 

【ご留意ください!】

 

本解説は、裁判上の離婚手続きに関する基本的な考え方を示すものです。具体的な裁判離婚に関する手続等については、家庭裁判所または弁護士等の専門家にご相談下さい。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

離婚に関する法律相談は四条駅・烏丸駅直結、京都・四条烏丸の弁護士法人オールワン法律会計事務所の女性弁護士お任せ下さい。

よくあるご質問

ページ上部へ